野菜が”雑草”から”野菜”に変貌するまで 栽培記録 PlantsNote 
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野菜が”雑草”から”野菜”に変貌するまで

1.採取から栽培へ

今回は野菜の栽培化についてご紹介していきます。

今普通に食べている野菜も、もともとは雑草と同じで野に生えている雑草のような存在でした。例えばトマトの先祖は今よりもっと小ぶりで、1cm程度の緑色の実の中に大きな種が入っていたといわれています。皮も硬く、非常に食べづらいそうです。いまでも南米のアンデス地方に行けばトマトの野生種(先祖に近い種)を見ることができます。

この食べづらいトマトもどきが今の形のトマトになるまでには非常に長い年月がかかりました。

まず、フロンティア精神あふれる先人たちが、野に育っている怪しい小さな実(トマトもどき)を食べ、美味しいことに気づき、栽培を始めました。栽培し、種を収穫してはまた栽培し・・・を何度も繰り返します。このようにして、採取から栽培に切り替わりました。

2.偶然と選抜による優良品種化

何年も栽培を続けていると、トマト畑の中では偶然にも他のトマトよりも美味しいものが出てきたりします!さて、なぜ他と違う味のトマトが生まれると思いますか?

初期の頃の畑はいろんな種類のトマトが植わっていたと考えられます。
仮に美味しくなる遺伝子a、b、cを持ったトマトA、B、Cがそれぞれいたとします。このA、B、Cがごちゃ混ぜになって育てられている畑では、虫や風によってランダムにお互いが交配されます。

このランダム交配の結果、美味しくなる遺伝子a、b、cをすべて持った優秀なトマトが生まれることがあります。これは単純に運ですね。逆に美味しくなる遺伝子をまったく持たない植物も生まれますからね。畑には他にも大きくなる遺伝子や赤い実をつける遺伝子、早く育つ遺伝子など色々な種類の遺伝子を持ったトマトが存在します。先人たちは様々な種類の中から味や形、大きさなどに関係する遺伝子が効果的に組み合わさったトマトを長い年月をかけて選抜していったのです。

長い年月を経ることで、小さくて食べる部分がほとんどなかったトマトが、実が大きく赤い今のトマトへと変貌しました。フロンティア精神あふれる先人に感謝です!!

ちなみに現在の育種の現場でもこれと似たようなことをして新しい品種を作っています。もちろん、虫や風に頼ったランダムな交配ではなく、人の手によって特定の品種同士を掛け合わしていますがね。

また現在の育種には野生種が非常に重要になってきています。なぜ野生種が重要だと思いますか?

答えは次回に紹介します。