種なしスイカの仕組み 栽培記録 PlantsNote 
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トップページ > 特集 > 種なしスイカの仕組み

1.種なしスイカは生物界の異端児

さて、今回は植物自身がつくる種について紹介していきます。

種なしスイカってご存知ですよね?
このスイカは名前どおり実に種をつけず、食べるときに種を取る手間が省けるという、私のようなめんどくさがりにはぴったりの品種です。

種なしスイカは生物としては異端児になります。生物の宿命とは子孫繁栄です。種無しスイカは子孫を残すことができないので、生物としては落第生ですね。

ではこの種なしスイカはどうやって生まれたかというと・・・

通常のスイカ(二倍体)と、染色体の数が倍のスイカ(四倍体)とを交配させて出来上がりです!生まれてきたスイカは三倍体となっており、染色体異常により種が出来ません。
次の章でもう少し詳しく説明します

2.染色体の本数が重要

ここからちょっと難しい話をしますね
まず染色体という言葉についておさらいをします。染色体はいわば生物の設計図で、ヒトでは細胞1つ1つにに46本入っています。この染色体はわれわれのような高等生物では2本ずつ対になって存在します。ですのでヒトの場合は23種類の染色体が2本ずつとなります(ヒトの場合は厳密には22種類の常染色体と2種類の性染色体からなります)。

スイカの場合、通常は染色体を22本(2X = 22)持っています。このスイカは二倍体と呼ばれます。なぜ2倍体と呼ぶかは、染色体の基本セット11本(X = 11)を2セットもっているからです。 このスイカをコルヒチンという薬剤で処理して栽培すると染色体数が44本(4X = 44)の4倍体となります。これは基本セット11本を4セットもっているから4倍体というわけですね。これら二倍体や四倍体のスイカでは正常に種ができます。
種が出来るかどうかは、染色体数がきっちり半分になるかどうかで決まります。もう少し詳しく書くと、種の基である卵細胞や精細胞を作るときに染色体を半分ずつに分ける過程があるんですが、このときに均等に染色体が分けられないと異常が生じて種が出来なくなったりします。二倍体(22本)や四倍体(44本)だと染色体の本数は偶数になるのでうまく均等に分けることができ、結果として種ができるというわけです。

では、二倍体と四倍体のスイカを交配して生まれたスイカはどうでしょうか?
このスイカは染色体の数が33本の3倍体になりますね。このスイカでは染色体の数が奇数の33なので、うまく染色体を半分に分けることが出来ません。そのため、うまく卵細胞や精細胞ができず、結果として種のないスイカが出来上がります。

3.身近にある三倍体植物

ここまで、三倍体の植物は種ができないということを説明してきました。しかい種が出来ない以外にも、半巨大化するというメリットもあります。バナナは半巨大化を利用した良い例です。
みなさん、ちょっと思い出して欲しいのですが、バナナの種って見たことありますか?1cmくらいの大きさみたいですよ。
残念ながら私は見たことがありません。そもそも今流通しているバナナの品種に種は存在しません。なぜならこのバナナもまた三倍体だからです。二倍体のバナナは実がもっと小さく、またアズキくらいの大きさの種がぎっしりと詰まっているようです。さすがに二倍体のバナナは食べづらそうですね。
三倍体の植物は花ではヒヤシンス、カンナ、チューリップなど、野菜ではクワ、チャ、サトウダイコンなどがあります。基本的に三倍体では種を取ることができないので、接木や球根など栄養繁殖を利用して栽培されています。

今回はスイカを例に、種なしの植物ができるまでを紹介しました。 少し専門的な話も出てきたかと思います。とにかく、種なしスイカやバナナは三倍体だから種が出来ないんだ、ということを覚えてもらうだけでも十分です。
それではまた次回をお楽しみに