銅は電子の伝達役 栽培記録 PlantsNote 
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銅は電子の伝達役

  • 1.Cu欠乏で生育ストップ
  • 2.Cuは電子の伝達役

  • 銅(Cu)というと一番身近なのは10円玉ですよね。そのCuが植物の生長に必要であるということは野菜栽培の中ではなかなか見えづらいですよね。でもCuが不足することで、植物に様々な欠乏症が起こるんです。 そこで、Cuの欠乏症についてまず説明し、Cuの役割を説明することで理解を深めてもらえればと思います。

    1.Cu欠乏で生育ストップ

    Cuの大部分は根に存在し、植物体内を移動しづらい元素のため、欠乏症状は先端や若い葉から現れます。
    銅を欠乏することで、先端や若い葉に黄化症状がでたり、生育がストップしたりします。また雄の器官で不稔を引き起こします。

    では欠乏症の進行を順を追って見ていきましょう。
    ●まず葉の色がまだらに薄くなる黄化症状が現れる。
    ●症状が進行すると葉の部分部分で茶色く枯れてしまう(壊死斑ができる)。
    ●葉の先端では葉が大きくなったり新しい葉が出来るのが著しく抑制され、生育は停止する。

    ちなみにCuは有機物と結合して植物が吸収できない形となってしまうため、Cu欠乏は腐植に富んだ良い土壌で起きる可能性もあります。また、土壌のphが高いと吸収が妨げられます。

    2.Cuは電子の伝達役

    Cuは生体内ではCu+とCu2+の状態で存在します。そのため電子の受け渡しや酸化還元反応がCuの植物体における役割です。特に生体内で重要なCu含化合物として、ブルー銅タンパク質と銅酵素があります。

    ブルー銅タンパク質は光合成に深く係わっていて、光合成の初期段階(光化学系Ⅱ→光化学系Ⅰへの電子伝達)における電子の伝達を行っています。

    銅酵素はエネルギー生産の最終段階に係わる酵素(シトクロームオキシダーゼ)や活性酸素の無毒化を行うスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)、ビタミンC(アスコルビン酸)の酸化に係わるアスコルビン酸オキシダーゼ、フェノール類の酸化酵素(フェノールオキシダーゼ)などがあります。

    SODについてはマンガンのコラムでも紹介したかと思いますが、くっつく金属の違いによって働く場所が異なってきます。Cuの場合は亜鉛(Zn)と一緒にSODにくっつき、葉緑素やエネルギーの生産場であるミトコンドリアで働いています。呼吸や光合成の過程で植物にとって有毒である活性酸素を、CuとZnのくっついたSODが無毒化することで、植物は元気に生育することが出来ます。

    アスコルビン酸オキシダーゼはビタミンCを酸化して酸素を水に還元しますが、Cuが欠乏している状態ではこの酵素の活性は減少します。そのためCuの栄養状態の指標として用いられています。

    フェノールオキシダーゼは木の元となるリグニンやメラニンの生合成に係わっています。そのためCuの欠乏した部分ではリグニン化(木化)が抑えられ、葉がゆがんだり枝がねじれたりします。

    さて、以上のようにCuは電子の伝達役を担っており、Cuが欠乏することで葉に壊死斑ができたり、新しい葉の展開が抑制されたりするということでした。元肥として銅を加えるということはあまりないでしょうか、不足しているかどうかはきっちりと確認したほうがいいかと重います