亜鉛がタンパク質をつくる!? 栽培記録 PlantsNote 
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亜鉛がタンパク質をつくる!?

  • 1.Zn欠乏で茎が伸びない
  • 2.Znはタンパク質合成のヘルパー

  • 人間にしても亜鉛(Zn)の摂取はとにかく重要だといわれています(理屈はしりません)が、これは植物にとっても同じです。このZnが植物にとってなぜ重要なのかを理解するため、まずZnを欠乏したときに起こる現象を紹介し、次にZnの植物における役割を紹介していこうと思います。

    1.Zn欠乏で茎が伸びない

    Znは根から吸収された後、新しい葉や茎などといった分裂組織に優先的に分配されます。そのため欠乏症は新しい器官、特に新梢部で起こります。
    Znを欠乏することで、新梢部の伸長が抑制されたり黄化症状がでたりします。

    では欠乏症の進行を順を追って見ていきましょう。
    ●まず若い葉の生長が抑制され小さなままとなります。
    ●また、新しい葉の茎の伸長が著しく抑制されます。
    ●茎が伸びずロゼット状の姿になります。
    ●欠乏が続くと茎の先端(茎頂部)が枯れだし、また下位葉でクロロシス(黄化症状)やネクロシスが生じます。

    Znの欠乏症は、風化が進んでZnが少なくなってしまった土壌やアルカリ性の土壌で育った場合に頻繁に見られます。また、リン酸を多量に施用した場合にも欠乏症が起こることがあります。

    2.Znはタンパク質合成のヘルパー

    Znはタンパク質合成の過程で重要な役割を果たしています。Znを欠乏すると植物体内においてタンパク質の含量が低下し、一方でタンパク質の基であるアミノ酸が増加します。このタンパク質の含量低下は他の微量必須元素と比べZnを欠乏したときに特に顕著に現れることから、Znがタンパク質合成のキーになっていると考えることができます。

    タンパク質合成の過程でZnが関与している部分は大きく見て3箇所あります。
    ①DNAの合成
    もともとあるDNAを基に新しいDNAを合成します。このときに働くDNAポリメラーゼにZnが含まれています。
    ②RNAの合成
    タンパク質を合成するためのレシピの役割を果たすRNAを、DNAを基にして合成します。このときに働くRNAポリメラーゼにもZnが含まれています。
    ③個々のアミノ酸をくっつけてタンパク質を合成
    RNAの情報を基に、リボソームという細胞が個々のアミノ酸をくっつけて一つのタンパク質を合成します。このリボソームにはZnが高濃度含まれ、Znの濃度が低下するとリボソームが分裂して機能しなくなります。

    これらの箇所のいずれかがストップしてしまうとタンパク質の合成は抑制されてしまいます。

    また、Znを欠乏すると茎の伸長が著しく抑制されることが知られていますが、今のところこの原因は明確にはわかっていません。今のところの有力な説は、Znが欠乏することで植物ホルモンの1つであるオーキシンの合成が阻害され、オーキシンの含量が低下することで茎の伸長が抑制されてしまう、という考えです。

    現在確認されている現象として、オーキシンの基になるトリプトファンという化合物がZn欠乏条件下では合成が阻害されているという報告があります。

    ただしZnとオーキシンの関係についてはっきりと証明されたわけではなく、まだまだ研究を必要としています。

    さて、Znはタンパク質合成の過程において重要な役割を果たしていて、Znが不足することでタンパク質がうまく作られないということでした。とても大切な元素ですので、Znの含量やpHに注意しながら野菜栽培をしましょう♪