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モリブデンで窒素循環のコントロール

  • 1.Mo欠乏で葉がやられる
  • 2.Moは窒素循環の管理役

  • モリブデン(Mo)という言葉を知っていますか?日常生活ではなかなか聞きなれないですよね。こいつは金属の一種で、合金の添加元素に利用されていたりします。産業上重要性が高いものの、日本国内ではなかなか産出できない金属のため60日分を国家備蓄すると定められているそうです。

    工業の観点から見ても重要な元素ですが、植物の栽培の観点から見ても非常に重要な元素です。なぜなら、植物において窒素の循環にかかわっているからです。

    では、植物におけるモリブデンの重要性について、欠乏症と役割を紹介することで説明していきます。

    1.Mo欠乏で葉がやられる

    モリブデンは必須元素の中で最も必要量の少ない元素です。植物の種類によっても変わりますが、乾物1kgあたり0.1~1.0mgといわれています。

    このモリブデンが不足すると、
    ・茎の伸長が抑制される
    ・若い葉でクロロシスがおこる
    ・葉の縁が内側にカールしてよれよれになる
    といった症状が見られます。

    またマメ科植物ではさらに窒素欠乏症の現象がおこります。
    窒素欠乏症の詳細はこちら!

    2.Moは窒素循環の管理役

    モリブデンは窒素と反応する酵素に含まれています。

    ・硝酸イオンを亜硝酸イオンに還元する酵素
    植物は硝酸を吸収してアミノ酸を合成します。合成の流れは硝酸イオン→亜硝酸イオン→アンモニウムイオン→グルタミン酸となっていて、このグルタミン酸から各種アミノ酸が作られます。
    モリブデンを欠乏するとアミノ酸合成の過程のうちの硝酸イオン→亜硝酸イオンが滞ってしまいます。その結果アミノ酸不足が生じやすくなってしまいます。

    ・窒素をアンモニアに変換する反応を触媒する酵素
    ニトロゲナーゼと呼ばれる酵素で、根粒菌が窒素を固定する際に活躍しています。モリブデンが不足すると、根粒菌が窒素固定を行いづらくなってしまいます。根粒菌が窒素固定を行わなくなるとマメ科植物は非常に困ってしまいます。なぜならマメ科植物は必要な窒素養分を根粒菌から供給してもらっており、供給が滞ると窒素不足に陥ってしまうからです。

    ・尿酸を作るのにかかわる酵素
    DNAなどの核酸が分解されるとキサンチンというものができます。キサンチンはプリン体の一種で、キサンチンオキシダーゼ/デヒドロゲナーゼによって尿酸に分解されます。このときにできる尿酸は窒素元として新たなアミノ酸を作る材料になります。そのためモリブデンが不足すると、キサンチンの分解が滞ってしまい再利用可能な窒素元がどんどんと減ってしまいます。これもまた窒素不足の原因となります。

    以上のように、モリブデンは必要量は微々たる物であるものの、植物体の窒素の循環を管理する非常に重要な元素です。名前だけでも覚えてやってください。