窒素は栽培の要!! 栽培記録 PlantsNote 
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1.窒素はかなり重要です!

学生の頃にそれぞれ1つの多量必須元素を欠いた6パターンの培養液で植物を育てたことがありますが、窒素を欠いた培養液の区が最も生育が悪かったのを覚えています。このように窒素は植物の生育を最も強く支配する栄養素です。

なぜ窒素がこれほどまでに重要かというと
①自然界では不足気味で、要求量が栄養素の中で最も多い
②タンパク質や核酸(DNAやRNA)など多くの重要な成分の構成元素になっている
③窒素を吸収して利用するためにはエネルギーが必要で、そのためエネルギーを作る光合成や呼吸と関係しており、光や温度などの環境要因の影響を強く受ける
④植物体内での窒素の含量は多すぎても少なすぎても生育にマイナスになり、また適正なレベルは光や温度などの環境によって変化する
といった理由からです。

では、この窒素を植物はどのように利用して生長しているのか説明していきます。

2.窒素はどこからやってくる?

肥料の吸収元は栽培中に施肥した肥料と、元々の土壌の2つがメインとなります。あとはマメ科植物だと共生している根粒菌があります。

畑作物では一生に吸収する窒素のうち肥料由来が40~50%、土壌由来が50~60%となっています。例外として、マメ科植物では肥料からは5%と低く、土壌由来が35~60%、根粒菌からの転流が40~60%といわれています。このようにマメ科とそれ以外とでは必要な施肥量が変わってきますので要注意です。

3.吸収された窒素の行き先

吸収された窒素の分配先は生育ステージによって変わってきます。
幼少期ではほとんどを葉に配分しています。生育するにしたがって茎への配分が多くなります。そして花が出来始めると、徐々にそちらへの分配量を増やしていき、果実を形成する時期には果実への配分に集中します。

分配される窒素はすべてが根から吸収したものというわけではありません。葉や茎、根に蓄えられた窒素もまた他の器官に転流されます。このように葉や果実など新しい器官が形成されるとき、それを構成する窒素は根から新たに吸収した”吸収由来窒素”と、葉など既存器官からの”転流由来窒素”に分けることができます。

新しい葉や茎を形成するときの窒素の由来はどうなっているでしょうか?
標準的な窒素含量の畑では、吸収由来窒素と転流由来窒素がほぼ1:1となります。では畑にじゃんじゃん窒素肥料を加えると転流由来窒素が0に近づくでしょうか。残念ながらどんなに窒素肥料を加えても、転流由来の窒素が3割を占めるといわれています。古くなった葉から新しい葉へ窒素を転流し、バランスの取れた生育を保っているということです。

次に果実での窒素の由来です。
こちらは葉などとは大きく異なっており、大部分を地上部の器官からの転流が占めています。中でも葉からの転流が最も多く、イネでは穂の窒素のおよそ50%を葉からの転流が占めています。一方で、根から吸収された窒素は果実形成にはあまり使われません。植物の種類によっても異なりますが、果実に含まれる窒素の約20%といったところです。

果実形成期に根から吸収された窒素は植物体を大きくするのに使われます。その際にはもちろん既存の葉などからの転流も必要となります。つまり、この時期に窒素肥料をやりすぎると、果実に持っていくべき窒素が葉や茎に持っていかれてしまうというわけです。

ちなみに、ジャガイモやサツマイモなど地下部に収穫物がある野菜では、地上部が生長するとそれに比例して地下部も生長するので、上記とは異なってきます。

4.窒素の吸収量と生長の関係

窒素が多ければ多いほど植物が生長するというわけではありません。必要とする窒素の量は生育時期によって変わってくるので注意が必要です。

幼少期のまだあまり葉が茂っていない時期では適切な範囲で(植物の吸収量には限度がありますからね)窒素を十分に施すほど、葉の総面積は大きくなり生育が促進されます。この時期では窒素の吸収量と植物の生長との間に正の相関があります。

葉が茂ってきて、上の葉が下の葉を遮蔽するようになってくると状況が変わります。窒素の吸収量と生長の関係は下のグラフのようになります。窒素を吸収しすぎると逆に生長にはマイナスになるということです。これは光の当たりにくい下の葉がどんどんと大きくなることで、光合成をほとんどしないが栄養はどんどんと食いつぶすというNEETみたいな状態になるからです。この辺はすべての葉がうまく光に当たるようにしてやることである程度対処可能です。

植物の生長と窒素吸収量

ちなみに植物の光合成能力を生かすための数値として最適葉面積指数というものがあります。この値をとるときに収量が最大となるわけですが、この値は一定ではありません。その年の天候に大きく左右され、光の条件が悪い年は最適葉面積指数は小さく、光の条件が良い年は大きくなります。
このため、毎年同じように育てていても良い野菜は収穫できないということです。
植物も生き物ですから、ちゃんと状態を確認して、その時々に応じた対応をしないといけないわけですね。