マンガンはいぶし銀
マンガン(Mn)というと、一昔前はマンガン電池としてよく見かけましたね♪ あとは小学校の理科の実験で、レバーに過酸化水素水を掛けるとシュワシュワと泡がでるというのをやったかもしれませんが、その反応でマンガンが触媒として働いています。
そのマンガンも実は植物の微量必須元素として、生育上重要な役割を果たします。実際、過酸化水素水とレバーを使った実験とほぼ同様のことが体内で繰り広げられていたりします。
さて今回はまずマンガンが欠乏すると植物にどのような影響が出るか紹介し、次に植物におけるマンガンの役割を説明することで、植物生育におけるマンガンのポジションを知ってもらえればと思います。
1.Mn欠乏でぽちぽちが…
マンガンを欠乏すると葉で黄化症状がみられます。ただしマグネシウムを欠乏したときのような葉全体が完全に黄色くなってしまうという症状ではなく、青々としていた葉が薄緑になるとともに部分部分が黄色くなるといった症状が見られます。また欠乏した状態が続くと、葉の一部で白い斑点ができます。
では欠乏症の進行を順を追って見ていきましょう。
●まず側枝についている成葉から穏やかな黄化が起こります。
●次第に上側の葉も黄化症状が現れます。
●欠乏状態が続くと、葉に白い斑点状の壊死斑が出来ます。
では欠乏症の進行を順を追って見ていきましょう。
●まず側枝についている成葉から穏やかな黄化が起こります。
●次第に上側の葉も黄化症状が現れます。
●欠乏状態が続くと、葉に白い斑点状の壊死斑が出来ます。
2.Mnも化学反応のサポート役
マンガンの主な役割は光合成のサポート役と酵素の活性化です。
植物の光合成において、水から電子を取り出す際に酸素が発生しますが、この過程でマンガンが触媒として働いています。光合成の流れですが、水から取り出された電子を利用してエネルギー(ATP)がつくられ、このエネルギーを利用してグルコースが合成されます。そのため、マンガンは光合成の初期段階の非常に重要な役割を担っており、マンガンが不足すると光合成の速度が急速に低下します。
また、マンガンは特に酸素をくっつけたり取り除いたりする反応(酸化還元反応)において、多くの酵素の活性剤として働きます。
特に活性酸素を除去する酵素であるスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)のサポートは重要です。なぜなら活性酸素は毒であり、活性酸素が細胞内に蓄積すると呼吸機能に障害が出てくるため、迅速な除去が欠かせないからです。
SODはマンガンのほかに銅や亜鉛、鉄とくっついて機能します。くっつく金属によって働く場所が異なっており、マンガンの場合はミトコンドリアというエネルギーを生産する細胞で働きます。そのため、マンガンが不足するとミトコンドリアで活性酸素だらけになってしまうということです。
また、マンガンは病原菌の感染に関する抵抗性に関係しています。マンガンが土壌微生物に作用して、植物を守っているようです。
さて、以上のようにマンガンは基本的に裏方に徹しながらも植物の生長においてなくてはならない重要な役割を果たしています。基本的に欠乏症になりにくい元素ですが、油断は禁物ですよ!
植物の光合成において、水から電子を取り出す際に酸素が発生しますが、この過程でマンガンが触媒として働いています。光合成の流れですが、水から取り出された電子を利用してエネルギー(ATP)がつくられ、このエネルギーを利用してグルコースが合成されます。そのため、マンガンは光合成の初期段階の非常に重要な役割を担っており、マンガンが不足すると光合成の速度が急速に低下します。
また、マンガンは特に酸素をくっつけたり取り除いたりする反応(酸化還元反応)において、多くの酵素の活性剤として働きます。
特に活性酸素を除去する酵素であるスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)のサポートは重要です。なぜなら活性酸素は毒であり、活性酸素が細胞内に蓄積すると呼吸機能に障害が出てくるため、迅速な除去が欠かせないからです。
SODはマンガンのほかに銅や亜鉛、鉄とくっついて機能します。くっつく金属によって働く場所が異なっており、マンガンの場合はミトコンドリアというエネルギーを生産する細胞で働きます。そのため、マンガンが不足するとミトコンドリアで活性酸素だらけになってしまうということです。
また、マンガンは病原菌の感染に関する抵抗性に関係しています。マンガンが土壌微生物に作用して、植物を守っているようです。
さて、以上のようにマンガンは基本的に裏方に徹しながらも植物の生長においてなくてはならない重要な役割を果たしています。基本的に欠乏症になりにくい元素ですが、油断は禁物ですよ!