カルシウムは一人二役
皆さんは土作りの際に石灰を入れるでしょうか?酸性土壌をアルカリ化するためによく使われますよね。
実はこの石灰はカルシウムで出来ているということはご存知でしょうか?石灰は酸化カルシウムや水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどからなるアルカリ性の物質です。そのため石灰をまくことでpHが上昇するということです。
またカルシウムは植物にとっても多量に必要な重要元素です。動物であれば骨の構成にカルシウムが多く使われるため理解できますが、植物には骨がないためあまり必要なさそうな気がしますよね。
なぜカルシウムが必要なのかについて、まずカルシウムを不足することで生じる欠乏症について解説し、続いてカルシウムが植物のどのような部分に使われているかを解説することで、理解を深めてもらおうと思います。
1.カルシウム不足で生長ストップ
カルシウムが欠乏すると、生育の盛んな根の先端や新葉、貯蔵器官に欠乏症が現れます。
窒素やリンなどでは古い葉に欠乏症が生じるのに対し、カルシウムでは新しい部分で欠乏症がおこるのはなぜだと思いますか。
これはカルシウムの移動(転流)しづらさが原因です。基本的に養分は成熟している部分に流れやすくなっています。新しい部分で元素が不足してくると、転流しやすい元素では成熟した部分からどんどん新しい部分に転流されます。
しかし転流しづらいカルシウムでは、新しい部分でカルシウムが不足してきたとしても、カルシウムを十分に持っている成熟部分からなかなか受け取ることができず、先に新しい部分で欠乏症が生じてしまいます。
カルシウムの欠乏症は部位によって多少異なります。
・まず、葉では最初に黄色くなってゆき、最終的には白く脱色します。また、うまく生長できず小さな葉となるのも欠乏症の一つです。
・根では、特に先端から壊死し根腐れを起こします。また側根がでずに、1本の太い主根だけが育ちます。
・貯蔵器官ではトマトの尻腐れ病のように一部が腐ってしまいます。これはカルシウムが不足することで組織の一部が死んでしまい、さらにそこに糖などの貯蔵物質がどんどんと溜まっていくために生じます。
窒素やリンなどでは古い葉に欠乏症が生じるのに対し、カルシウムでは新しい部分で欠乏症がおこるのはなぜだと思いますか。
これはカルシウムの移動(転流)しづらさが原因です。基本的に養分は成熟している部分に流れやすくなっています。新しい部分で元素が不足してくると、転流しやすい元素では成熟した部分からどんどん新しい部分に転流されます。
しかし転流しづらいカルシウムでは、新しい部分でカルシウムが不足してきたとしても、カルシウムを十分に持っている成熟部分からなかなか受け取ることができず、先に新しい部分で欠乏症が生じてしまいます。
カルシウムの欠乏症は部位によって多少異なります。
・まず、葉では最初に黄色くなってゆき、最終的には白く脱色します。また、うまく生長できず小さな葉となるのも欠乏症の一つです。
・根では、特に先端から壊死し根腐れを起こします。また側根がでずに、1本の太い主根だけが育ちます。
・貯蔵器官ではトマトの尻腐れ病のように一部が腐ってしまいます。これはカルシウムが不足することで組織の一部が死んでしまい、さらにそこに糖などの貯蔵物質がどんどんと溜まっていくために生じます。
2.カルシウムの役割
カルシウムはカリウムのような機能的な役割と、イオウのような組織的な役割の2役をになっています。
・機能的な役割
カルシウムは今からこの反応を行ってくださいと指示を出す役割を持っています。カルシウムが別の物質とくっつくことで、代謝がスタートしたり、細胞の形が変わったりします。
このような物質は情報伝達物質(メッセンジャー)と呼ばれ、生物の体内の化学反応をコントロールしています。
ちなみにカルシウムは厳密にはセカンドメッセンジャーとして機能しています。つまり、メッセンジャーから今からこの仕事をやってくださいというシグナルを受け取って、その情報を別の物質に送るという役割を行っています。会社でたとえるなら、メッセンジャーが社長でセカンドメッセンジャーが部長といったとこでしょうか。社長から部長に指示が飛び、部長はその指示を噛み砕いて部下たちに指示を出す、ということです。
・組織的な役割
カルシウムは細胞や細胞壁の構造を維持する役割を持っています。まず細胞壁ではクッションのような役割を果たしていて、カルシウムが多いと柔軟な細胞壁に、少ないと可塑性の弱い細胞壁になります。 また、細胞では特に染色体の構造維持に役立っています。このためカルシウムが不足すると、染色体がばらばらになってしまい、染色体異常を引き起こします。
さて、以上のようにカルシウムは指示だしと構造維持の2役を担う重要な物質であるということがお分かりいただけだでしょうか。
栽培を始める時期には基本的に苦土石灰をまくため、カルシウム欠乏症は起こりにくいと言われていますが油断は禁物です。 新しい葉などが若干黄色くなってくるという初期症状を見逃さずに、きっちりと対処してあげましょう。
・機能的な役割
カルシウムは今からこの反応を行ってくださいと指示を出す役割を持っています。カルシウムが別の物質とくっつくことで、代謝がスタートしたり、細胞の形が変わったりします。
このような物質は情報伝達物質(メッセンジャー)と呼ばれ、生物の体内の化学反応をコントロールしています。
ちなみにカルシウムは厳密にはセカンドメッセンジャーとして機能しています。つまり、メッセンジャーから今からこの仕事をやってくださいというシグナルを受け取って、その情報を別の物質に送るという役割を行っています。会社でたとえるなら、メッセンジャーが社長でセカンドメッセンジャーが部長といったとこでしょうか。社長から部長に指示が飛び、部長はその指示を噛み砕いて部下たちに指示を出す、ということです。
・組織的な役割
カルシウムは細胞や細胞壁の構造を維持する役割を持っています。まず細胞壁ではクッションのような役割を果たしていて、カルシウムが多いと柔軟な細胞壁に、少ないと可塑性の弱い細胞壁になります。 また、細胞では特に染色体の構造維持に役立っています。このためカルシウムが不足すると、染色体がばらばらになってしまい、染色体異常を引き起こします。
さて、以上のようにカルシウムは指示だしと構造維持の2役を担う重要な物質であるということがお分かりいただけだでしょうか。
栽培を始める時期には基本的に苦土石灰をまくため、カルシウム欠乏症は起こりにくいと言われていますが油断は禁物です。 新しい葉などが若干黄色くなってくるという初期症状を見逃さずに、きっちりと対処してあげましょう。