人間が夜の闇を怖がるようになったのは何時からだろう。匂いに頼った行動を捨てた時から？それとも夜目の効かない目を持った時から？夜の闇の中では何かがこっそり近づいて来ても気が付かない。もしかしたらすぐ近くに何かいるかもしれないのに。もしかしたらあなたのすぐ後ろに・・・
夜の森でも月さえ出てれば案外いろんなものが見える。うっすら浮かび上がる道を一人歩くとどこからか何かが聞こえる。何の音？自分の足音？それとも・・・。月が陰り闇が訪れる・・心の隙間から冷気が流れ込む。重い空気の中で体が小刻みに震え出す。・・・そこに誰かいるの？あなたは誰？
そんな時に遠くにぼんやり明かりが浮かび上がる。闇の中の明かり・・それは希望？それは・・・

セレ二セレウス　グランディフローラは中米の熱帯雨林が自生地です。熱帯雨林と言ってもちゃんと乾季もあって年数か月、雨が降らない時期もある。サボテンの得意分野がこんなとこにもあったんです。で、近くの木に絡みついて上に上に伸びる。上に伸びて絡みついた木よりも長くなってもそのまま伸びる。そのまま伸びるから絡む枝が無くなって先端がだらりと下を向くんです。そうなって、つまり成長点が最上部ではなくなった春に初めて花芽形成ホルモンが分泌される。なので3メーターの木に絡んだ株は3メーターちょいのサイズで、20メーターの木に絡んだ株は20メーターちょいに成長して初めて花をつける。こいつの花、最大で40センチになるって言われています。やっぱり20メーターくらいの木に絡んだ株がそうなるんでしょう。

夜の闇の中、マヤの遺跡が眠る場所で甘い香りを放ちながら巨大な白い花を咲かせる。夜の闇の中で見るこいつの姿は・・希望の光？それとも・・・

咲いた・・・

去年よりちょっと小さい

朝にはしぼんじゃってました