ホテルを出ると夜空に月が昇っていた。満月と言えるのは昨日まで。なのにこの鼓動はなんだ？太古から連綿と潜み続けた俺の本性が俺を何かに駆り立てる。どくどくっ・・どくっ！どくっ！・・そしてそこに太鼓のリズムが重なる。どんどんどん・・・ん？太鼓？笛の音まで聞こえてきたぞ。ああ・・そういえば鳴門では今日まで阿波踊りやってるんだっけ・・・
今回の連休を利用して鳴門の堂の浦に行ってきた。夜には飯のついでに阿波踊りを見学。鳴門の町が太鼓と笛の音に包まれてる。太鼓の音っていいよね。リズムが、響きが俺の中の何かを呼び覚ます。鳴門の町には観光客と一緒に阿波踊りのカッコしてる連中が溢れてた。いったい踊りやってる連中ってこの一帯でどんだけいるんだろう。堂の浦の小あじ並に沸いてるんじゃねーの？って位いっぱいいる。大抵は小学生くらいから連に入ってる連中なんで本当に年期入ってるんだよね。で、基本動作は一緒だけど連ごとにちょっとづつ踊りが違うし見せ方が違う。それぞれの踊りを見るのも良いし一つの連をずっと見るのもいい。男踊りなんかは結構派手な動きもする連があるので見ごたえあるよな。
そういえば本社でも連に入って高円寺の阿波踊り踊ってるのがいたっけ。奴らもここに来る事ってあるんだろうか？高円寺の方は見に言った事が無いけど同じ様に太鼓のリズムが町を包むんだろうか。ああ・・この太鼓のリズムは昔から人達を魅了してたんだろうか・・・どんっ！どどんっ！・・どん！どどんっ！俺の中でも太鼓が響く。俺の血が太鼓のリズムに波長を合わせていく。目を閉じて心臓の音を聞く。どくどくどく・・どんどんどん・・・周りにあふれる人達の鼓動が、俺の鼓動が、波長を合わせて響きわたってる。みんなが寝静まるまでそれが続く・・いや、人間がいる限り続くんだろう。それを共有しながら俺も町の一部になった気がした。

太鼓のリズムが・・・

男踊りはやっぱりカッコいいぜ！

女性もいけてる・・