今回の栽培結果をまとめてみる。
★準備
1,水耕装置は、ネットで調べて、エアポンプタイプのブクブク式ではなく、ウォータポンプの水流循環式とした。クール宅配便で自宅にあった発砲スチロールの容器(280mm×360mm×120mm)2個を上下に2段重ねにして市販の塩ビ管でつないだ。ポンプはネットで購入したソーラー式噴水装置を改造し、下段の溶液を上段にくみ上げ、オーバーブローした溶液が下段に戻る仕組みとした。(写真参照)
容器には遮光材として、アルミホイルとアルミテープで周りを包み溶液層に藻が発生させないようにしたポンプに接続した塩ビホースもアルミホイルで遮光した。
2,液肥は少々高価だが、水耕栽培で定評のあるハイポニカ1Lセットをネットで購入した。
3,苗は実生苗でも良かったが、初めてだったのでデルモンテブランド接ぎ木苗「フルーツガーネット」を購入した。
★栽培中
1,初期の成長では、地上部の生長はゆっくりでしたが、上部溶液層の根はほぼ1ヵ月ぐらいで容器いっぱいまで成長した。その後、根の生長は止まり地上部の生長が早くなった。
2,給水は2LペットボトルにハイポニカA液とB液をスポイドで4ccづつ500倍に薄め補充した。7月の晴れた日は、1日でペットボトル2本計4Lの補充が必要な時もあったが、曇天や雨天では1Lの補充で済む日もあった。
3,最初の花芽は生長を優先させるため摘花した。その後の花芽は残したが開花時期は早かったが、赤く収穫できるまでには2ヵ月を要した。
4,7月のピークを過ぎたら花芽の分化がとまり、生長も緩慢になった。8月以降は、葉の黄化が始まり、花芽分化するものの勢いなく枯れ熟れ状態で10月末まで継続した。
★その他
1,アルミホイルで遮光しているが容器内部は、ぬめりや茶色い藻類、根の新陳代謝の老廃物で汚れてくるため、1か月に1度程度の清掃が必要であった。当初、装置をくみ上げた時メンテナンスのことを考えて無かったので、せっかく奇麗に貼ったアルミホイルを切って、上下に分解できるようにし、清掃をした。植物が生長してくるとかなりの重量になる。容器清掃中はバケツで受けていたが安定が悪く転倒させ枝が折れた。修復できそうな部分はマスキングテープで貼り付け修復できたが、一部は枯れてしまい切断する羽目になった。
2,ソーラー式ポンプは、少しでも曇ると作動しなかったが、天気の悪い日は植物の給水も少ないので水切れになることは無かった、かえって常時満水にしておくより、少なめの水位の方が、空気に触れ根が呼吸できて良かったのではないかと思われる。
それよりも、下層の水切れに気が付かずポンプが空転していたことがしばしばあったので晴天が続くと給水作業が毎日の日課となりかなりの労力となった。
3,容器清掃の度、ポンプのホースに巻いていたアルミホイルは巻きかえていたが、少しでも隙間があると、光が入り藻が発生して緑色になる。いつもホース内の清掃が大変であった。
また、容器の上層と下層をつなぐ塩ビ管は2つの管をネジで容器本体に挟み込む構造としていたが、隙間から水漏れすることが何度かあり、下層がいっぱいになって外にオーバーブローすることがあった。その度に分解修理を行った。
★結論
ここ数年、畑での土耕侯栽培では連作障害が出て思ったほど収穫出来なかったので、今回初めてハイポニカを使った水耕栽培に挑戦したが、最終的に600個もの収穫が出来てうまくいったと思う。
ベランダで栽培することにより毎日様子を観察し、給水作業もこまめに行ったこと。
苗も優良で特に病気も発生しなかった。果実は裂果が少なく、味も甘くおいしかった。完全ではないが軒下で雨よけも出来たことも関係しているかと思う。
ソーラーポンプも見た目はおもちゃみたいであるが故障なく最後まで動いてくれた。揚水量もちょうどいい具合だった。
反省点としては、収穫の大半は7月までで8月以降の3ヶ月は生長が緩慢になったので新しい苗に更新した方が良かったかと思う。
水耕栽培装置(撤収後分解清掃後)