タイトル「5年目」の日誌で複式帳簿をつけるようになってお金の工面が見いだせるようになった～と、帳簿を夢ノートのような存在だと書きましたが、、、複式簿記を付けたからと言ってお金がたまるわけではありません！！

　って、そのくらい当然か。

　我が家は大きな農業用機械があって、現状その機械たちを使用して夏だけしかできない畑をフル回転させて経営をしているのですが、実はその機械たち～メッチャ高額です！！それはもう、本当に現金じゃそうそう買えません。。。買えちゃうスマートな農家さんももちろんいるのですが～我が家はそうじゃない。

　でも機械がなきゃ仕事にならない、、、稼げなくちゃ今ある機械などの長期借入金返を返していけないじゃん！ってなって経営は回らなくなるのです。。。
長期借入金とはいわゆる借金・ローンのことです。

　つまり借金を返すために働いているのです。
こう言った農家さんばかりでないのも事実ですが、こういった経営をされている農家さんや自営業の方がいることも事実です。


　こんな話を聞くと
　「農業って、、、経営って、なんかいやだな～」
って思われる方は多いと思います、実際に私もそう思ったから。
借金なんてないにこしたことないでしょって思うのは当然。



　でも、長期借入金に対する思い・考え・とらえ方に変化があったのは、数年前に父から経営移譲されたころだったと思う。

　それまでの冬はスキー場に働きに行ったりしていたのですが、父から経営移譲と同時に冬の取引先との会議・出張も世代交代があり、冬の過ごし方が外で稼ぐことから経営のための営業？に変わりました。

　　「父母がこうやって、だんだんと一線を退いていったら今までやってもらっていたことを自分たちがやらなくてはならなくなって、そうなると外で稼いでやりくりしていくのにも限界があるんだな～」

と、真剣にお金の問題に直面した。。。



　いつかは今サイズの経営から一回りずつ小さくコンパクトに畳みながら、奇麗に長期借入金の返済を済ませて自分がやれる範囲のサイズで農業を続けていけたらいいな～。

次世代に渡す時は「出来上がった大きな経営形態」ではなく「自由に枝葉をのばせる可能性のあるコンパクトでやりがいのある経営サイズ」であれたらいいかな～なんて思い描いたりして。。。

いつかは出来なくなる現状の農業経営に対して、きれいに畳んでいくことを意識するようになりました。


　経営を小さくしていったときに最後まで自分のやりたい事って？といよいよ掘り下げていって自分の奥底にあったものは
　　　「おかって菜園」
でした。

　お金にするための出荷野菜の栽培も嫌いなわけではないのですが、ダイレクトに「食べるために育てる」ことはただただ心の底から楽しいのです♪
家族やバイトちゃんに美味しいって言ってもらえて～、私にとっては稼ぐことと同じくらいになくてはならない必要な事のだと気づきました。このおかって菜園がやり続けられるのならば、経営の長期借入金だって私には必要なことだと！

　借金する事への抵抗がなくなったわけではありませんが、
　　「借金と言う選択肢がある時代だからこそ・借金すれば農業していける・借金あるけど好きな仕事ができる人生！！人生は半分以上が仕事の時間、好きなことしたい！！なんだ長期借入金って有難い存在だったのか！！」
と、長期借入金に対するマイナスイメージが半分ほど払拭された瞬間でした。

　もちろん毎年、秋になると今年もちゃんと支払いができるかな～っと借金に対する不安はありますが・・・長期借入金の帳簿処理をする際の昔のような重い気持ちはなくなりました。

複式簿記で帳簿をつけていると後いくらあればこの機械(機会)が買える⁉と経営に足りない量(モノ・事)が見えやすいように感じます。


　ずいぶん前に父は
　「借金も働くためには少しはあった方がいいんだ」
と話していましたが、初めて聞いた時私は
　「だからってこんなに借金して返済のために働いて、また機械が必要になって借金して・・・その繰り返しで経営してたら借金に終わりないじゃん。私がした借金じゃなのに！」
と思ったものです。

　経営移譲があって初めて借金をしないといけない買物があった時に、私の代の経営を畳むタイミングが来るまでは借金とは上手に付き合っていくものなんだ！と父の話していた意味が少し分かった瞬間でした。