メロンの祖先はアフリカが起源とされており、欧州に渡ったものがメロン、アジアに渡ったものがウリとして品種改良が進んでいきました。そんな中、1895年に英国でマスクメロンの始祖となるアールスフェボリット種が宮廷園芸用品種として作出されました。当時からガラス温室で育てられる極めて高価なものでした。アールスフェボリット種は1925年に日本に導入され、当時の貴族階級の人々に嗜まれました。かの大隈重信も愛好していたそうです。この品種は神奈川や静岡に導入されました。その栽培難易度ゆえにガラス温室と隔離ベッドを組み合わせることにより栽培法が確立しました。このような経緯から、メロンは高級品となったのです。この後、経済成長に伴い一般家庭でのメロン需要が出てきたため、耐病性に優れるウリやその他のメロンとアールスフェボリット種を交配することにより、味と育てやすさの両立が試みられました。露地栽培も可能となり、低価格化は大成功しました。産地の茨城では千円前後で素晴らしいメロンを買うことができます。しかしながら、味をそのまま保つのは難しく、味覚の面ではアールスフェボリット種には敵わないという事実もあります。現代でも味を追求する改良が行われており、よりアールスフェボリットの血を濃くした品種がアールス系メロンとして売られています。オリジナルのアールスフェボリット種は栽培難易度が高すぎるので静岡のクラウンメロンや各地の小規模農家が細々と作っているのが現状です。これらは他の品種の血が混ざっていないので純系アールスと呼ばれています。本格の英国では絶滅しており、世界で日本だけが生産を続けていると思われます。
見方を変えれば、商業生産には課題があるものの、家庭菜園で遊ぶ分にはよいネタかなと思い栽培してみることにしました。一般に種が流通しないのでメロンを買って種を採集します。まずは、クラウンメロンを入手しました。季節によって生育しやすい系統を選抜しているようですが、贅沢は言えないのでこれを使います。
クラウン
Vanさん 2022-06-16 10:01:20
めっちゃ深そうな沼ですね^^;
金角さん 2022-06-16 13:00:33
飽きるまで10年くらいかかりそうです笑