『記憶』と処理・・1.
ふやし方 ポイント
タネからふやす
毎年花を咲かせる多年草ですが、比較的寿命は短く3~4年育てていると老化で元気がなくなってきます。それきりと割り切るのならそれでよいですが、絶やしたくない場合はあらかじめ苗を作っておくと良いでしょう。方法はタネをまきと株分けがあります。株分けは後の項を参照にしてください。
タネは市販のものをまいても良いですが、花後にできた果実から採取してもよいでしょう。その中でもタネを採って保存せずにすぐまく方法を「とりまき」と言います。とりまきは保存しておいたものに比べると比較的発芽が良くそろうというメリットがあります。果実は完全に熟すと茶色く乾いて先端が裂け、逆さにすると中からタネが出て来ます。採取するタイミングは完熟手前、果実が黄色くなって先端が開く前のやや未熟な時期に行います。タネができるのが花後すぐですから、とりまきの場合5月-6月頃にタネをまくことになります。小さい苗は夏の暑さでやられてしまうことがあるので注意が必要です。
果実が青い状態のものでも指で軽くつぶしてみて先端からきれいに割れ、中のタネが黒くてツヤがあり固い状態なら熟していますので(発芽する力を持っています)、ためしにまいてみましょう。早めにまいてある程度夏までに苗を大きくすることができれば、夏も越しやすくなります。
保存しておいたタネは一晩水に浸してからまきます。いずれにしてもタネが芽を出すまで乾かさないようにします。発芽するまで2~4週間かかります。
タネまきの適期は4月~6月、9月~10月です。用土は清潔なものを用います。市販のタネまき用の培養土が手軽で扱いやすいです。春にまいた場合は翌年の春、秋にまいた場合は翌々年の春に開花します。これはある程度の大きさに生長した苗が冬の低温に合うと花芽を作るからだと言われています。秋にまいたものが冬の低温似合う頃はまだ苗が充分生長していないと言うことでしょう。